Japanese Machine Funk

主に日本のエレクトロ・ファンク調の曲を紹介するブログです。

早瀬優香子「水曜日までに死にたいの」

早瀬優香子「水曜日までに死にたいの」(1986年/Sixty Record)

作詞:秋元康、作曲:原田真二、編曲:西平彰

 

DXベースとタイト目のスネアだけでグルーブ感は十分。トラックはかなり少な目で入ってくる上モノはすべて控えめだがそこがいい。ハイハットが不思議なタイミングで左右に振れるのはノリを求めたのではなく、不安定感を与えるという音響効果を狙ったものだろう。声は独特で若干遅れ気味で、所々リズムと噛み合うところも面白い。ただこの曲を聞くとマッチョ・ドラゴンを思い出してしまうんだよなあ。

 

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Super Eccentric Theater「Beat The Rap」

Super Eccentric Theater「Beat The Rap」(1984年/アルファ)

作詞:高橋幸宏ピーター・バラカン、SET、作曲:高橋幸宏、編曲:高橋幸宏

 

キックの音は一般的、スネアはクラップと同時打ち、左右に振れるクローズハイハットが時代を感じる・・・とリズムパートは意外にも普通である。その上ギターやシンセの音は深めにリバーブがかかっており、あくまで添え物である。結局のところ細かめに入っているラップでグルーブ感を作っている。特に所々32分音符になるところがうまく、流れるようにリズムに乗っている。

 

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高見知佳 「怒涛の恋愛」

高見知佳 「怒涛の恋愛」(1985年/日本コロムビア

作詞:戸川純、作曲:矢野顕子、編曲:戸田誠司

 

この曲は4つ打ちである上にかなり歌謡曲寄りのメロディで(特にBメロ前半)、更には音色も生っぽく、本来は対象外の作品のはずであった。しかし、マシンガン・エディットっぽいスネア+キックの連打に加え、ストリングスの合いの手がどうしょうもなくエレクトロ感を醸し出してしまうことから紹介するに至った。なお、2拍目と4拍目に絶妙なタメを作った打ち込み(多分)は洋楽っぽいタイミングで、現在でもミドルテンポの4つ打ちを作る際に参考になる。

 

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ORESAMA「銀河」

ORESAMA「銀河」(2018年/ランティス

作詞:ぽん、 作曲:小島英也

 

重めのキックとは対象的な、まるで空き缶を叩いたようなスネアが意外にも楽曲にマッチする。スネアと合わせて鳴っている指をスナップしたような音は、長→短の順で打ち込んであり、リズムに奥行きとグルーブ感を与えている。シンセのコード音が縦横無尽に鳴り始める2分40秒以降からが秀逸。

 

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E☆Traps「EIYO!」

E☆Traps「EIYO!」(2007年/ユニバーサルミュージック

作詞:HINA&E☆TRAPS、作曲:E

 

おそらくサンプリングではなくオリジナルの打ち込と思うのだが、スネアのタメが十分に効いたリズムが印象的。この手の曲はハイハットがクドくなってしまう傾向が強いが、鳴る回数が少な目でグルーブ感へ効果的に華を添えている。BPMは113程度で一般的にはヒップホップの部類に入るところ、125程度まで上げると思いの外気持ちよく聞けるのが意外。

 

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森高千里「出たがり」

森高千里「出たがり」(1988年/ワーナー)

作曲:斉藤英夫、編曲:斉藤英夫

 

昨日の記事でブラスのタイミングのことを考えていた際、この曲のことを思い出した。ブラス(的)なタイミングで入っている音はシンセサイザーで、昨日の曲と比較するとアタックは比較的鋭い。グルーブ感の肝になっているのは3拍目~のピッチベンドで、ダンサンブルなリズムパートと良く合っている。サビ部分でスネアとクラップが同時に鳴るところもGOOD。

 

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鮎川麻弥「キャンセルの余韻」

鮎川麻弥「キャンセルの余韻」(1987年/キングレコード

作詞:松本一起作曲:鮎川麻弥

 

リズムとベースの絡みについ耳がいってしまうが、注意したいのはブラスのサウンドである。ブラスというのは音の立ち上がりが比較的遅く、吹くのを止めると一気に減衰する。この立ち上あがり~減衰までの「間」がグルーブ感を作る上で非常に重要となってくる。本曲は、スパッと気持ちいスネアにかぶせ、やや遅れるように入ってくるブラス音が心地よい。また、この方の曲全般にいえることだが切れ味の良いボーカルのタイミングも素晴らしい。

 

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