Japanese Machine Funk

主に日本のエレクトロ・ファンク調の曲を紹介するブログです。

Date Of Birth「思い出の瞳」

Date Of Birth「思い出の瞳」(1986年/キティレコード)

作詞:NORICO、作曲:重藤功、編曲:DATE OF BIRTH

 

ゆったりとした曲調で、タメが効いたスネアが心地よい。更にスネアはサビとそれ以外で音色が異なっている上、音の長さも少しずつ変えており凝った打ち込みになっている。全体的に締まっているのはオーケストラヒットが良いスパイスになっているからか。抑揚のついたボーカルとパッド音がグルーブ感の大きな波を作っている。

 

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TMN「Rhythm Red Beat Black (Version2.0)」

TMN「Rhythm Red Beat Black 【Version2.0】」(1991年/EpicSony)

作詞:パトリシア・ウィン、作曲:小室哲哉、編曲:小室哲哉

 

4つ打ちではあるのだが、スネアの打ち方が凝っている上に前奏が長いためラップ系のエレクトロ・ビートとロングミックスすると実によくハマる。キックがハネているように聞こえるのは、タイミングとベロシティが絶妙に調整されているからか。BPMは110もないのだが、16分で細かい音が数多く入っているためにかなりのスピード感がある。

正直なところシングル盤の両A面(?)だった電気グルーヴによるVersion 300000000000を紹介した方が本ブログに合っていたかもしれない。

 

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小西麻衣子「Mr.Juggler」

小西麻衣子「Mr.Juggler」(1988年/Victor)

作詞:小西麻衣子、作曲:小西麻衣子、編曲:武部聡志

 

ここ1年ほど定価の10倍~20倍の値段で取引されているレコード。確かに今の時代に合ったブギー感で、若干ラテン調のリズムにビリビリしたシンセはまるでAngela BofillのCan't Slow Downのよう。スネアはスパッと切れ味がよいサウンドで、絶妙のタメ感。トラックは少な目で、それぞれの音がしっかりと主張しており大音量で映える一曲。

 

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今井優子「ダイヤモンドは傷つかない」

今井優子「ダイヤモンドは傷つかない」(1989年/キングレコード

作詞:亜蘭知子、作曲:羽田一郎、編曲:鳥山雄司

 

アルバム「殺したいほどTONIGHT」より。「殺したいほど~」のシングルは以前本ブログで紹介したが、こちらの曲も良い。一聴してまず耳に入ってくるのは爽やかなギターのカッティングに鳥山氏っぽいベース、そして強弱のついたスネアである。曲全体に抑揚があるのは次々と入ってくる合いの手部分が工夫されているからで、ボーカルとうまく噛み合い流れるようなグルーブ感を醸し出している。

 

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Iceman「Space Dreamer」

Iceman「Space Dreamer」(1999年/アンティノスレコード

作詞:伊藤賢一、作曲:浅倉大介、編曲:浅倉大介

 

浅倉大介プロデュースのIcemanによるアルバム「GATE II」より。ポップスの中にエレクトロ・ビートをうまいこと取り込んでおりセンスが光る。ハイハット系に珍しい音色を使用しており、各拍の頭に入るオープンハイハット風の音のほか、16ビートで鳴るクローズハイハット風の音がユニークである。良いエレクトロ・ビートのポイントとして、スネアのタメ感と、ハイハットによる揺れ感が重要になると思われるが、それを2つとも満たしている。

なお「タメ感」といった表現は明確性を欠くとも思われるが、例えばエレクトロ・ビートとしては今ひとつ(曲は最高!)と言われているTaylor Swift氏の「New Romantics」と比較すると、若干は意図をご理解いただけるかもしれない。

 

(下記サイトで視聴が可能)

recochoku.jp

 

矢萩渉「冒険者」

矢萩渉「冒険者」(1990年/キティレコーズ)

作詞:村上明彦、作曲:矢萩渉、編曲:矢萩渉

 

安全地帯のギタリスト、矢萩渉氏による作品。ギタリストの作品だけあり、Bメロ?においてギターのカッティングでリズムパートを支える様子や、サビ部分でディストーションの効いたギターとスネアの絡みでグルーブ感を高めてゆく部分は非常に聴きごたえがある。というより、普段ギターが入っていない曲ばかり聞いている身には新鮮にすら感じる。

4分過ぎからのアウトロが秀逸で、勢いの良いスネアにギターのカッティングとコンガ風のサウンドが華を添える。このギターの大雑把に言うと2拍目と4拍目を極端にズラしているのだが、全体として破綻せずむしろ流れるように聞こえるところに凄みがある。なお曲全体はなんとなく平沢進っぽさがあるが、同氏とは無関係である。

  

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如月小春「NEO-PLANT」

如月小春「NEO-PLANT」(1986年/キングレコード

作詞:如月小春、作曲:坂本龍一、編曲:坂本龍一

 

ノイズ混じりのリズム、倍速ラップ、シンセが奏でるサウンド、そして曲の展開の全てにおいてエッジが効いており、今聞いても先端味を感じる。ハイハットは強弱が豊かで、スネアはあと僅かに遅れただけで「ズレている」と感じるほどの大胆なタメ。ピアノ調のベース音はフェアライトCMIと言われているようだが、DX-7のように聞こえる。

 

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